これは、すべて、ひとりごと

ひらフル版「ひとりごとターミナル2017」の公演初日まで一週間を切った。残り少ない稽古日数だが、ビルド&クラッシュを重ねたい。昨日まで正解だったものが、今日は正解ではなくなる。昨日まで不正解だったものが、今日は正解に転じる。そういう作品かもしれない。変化を怖がると上手く行かない。
フルタ丸で初演した2010年。当時、不安で仕方なかった。稽古をしてもしても手ごたえがまるでない。指と指の間から、実感だけがスルスルと抜け落ちて行った。僕も演出という立場でいながら、この作品の明確な指針、この作品の存在意義みたいなものを言葉に出来ずにいた。それはメンバーの中にもあった。工藤君に至っては、過労か何かの理由で栄養ドリンクを3本くらい飲みまくり、1日だけで10000タウリンを摂取して下痢していた。当たり前だ。劇場入りして、場当たりをやって、ゲネプロ前だったか。そこで、やっと分かった。「ひとりごとターミナル」がなんなのか、それをようやく言葉に出来た。本当にギリギリだった。作品は好評だった。その後もフルタ丸作品の中で、唯一再演を重ねていくことになる。他は一つも再演したことないのに、これだけは繰り返した。
フルタ丸で最後に再演したのが4年くらい前。登場人物の年齢設定もあり、フルタ丸での再演はもう厳しいと思った。だから封印した。しかし、ひらフルという場で再び舞い戻ってきた。今、稽古していると、再び不安になる。何回やってもやってくる。でも、この不安であることこそが、この作品の肝だ。不安であることが作品のモチーフとテーマと絡み合う。
昨日は稽古が終わった後、稽古場近くの飲み屋で役者陣と馬鹿話。演劇の話はちょっとだけ。贅沢な時間だった。こういう時間の先に上演があるってことが、演劇の素敵な所だなと思うばかり。

東京。夜。往来と発着が繰り返されるバスターミナル。
それぞれのバスを待つ、それぞれの事情を抱えた旅人たち。他人事だと思っていたはずが…傍観者のはずが…
スマホを弄る手元と、それでは追い付かない脳内が交差する2017年。ひとりごとアンサンブルコメディー。

【劇場】
下北沢小劇場「楽園」
http://www.honda-geki.com/map.html

【日程】
9月20日(水)〜24日(日)

【公演タイムテーブル】
9月20日(水) 19:30
9月21日(木) 19:30
9月22日(金) 19:30
9月23日(土) 14:00/18:00
9月24日(日) 13:00/17:00
※受付開始は開演時間の40分前
※開場開始は開演時間の30分前

【チケット予約】
前売:3,500円
当日:4,000円
※全席自由席
ご予約フォーム⇒
https://www.quartet-online.net/ticket/hitorigoto2017?m=0gagjji