祖母はよく笑っていた

3日に祖母が亡くなり、故郷に帰って来た。
お通夜と告別式が終わった。
祖母のことを思い出そうとすると、今みたいに暑かった夏のワンシーンばかりが浮かんで来る。冷房の効いたリビングで祖父と祖母がテレビを見ていて、小学生だった僕は学校のプールから汗だくで帰って来る。あの瞬間の、発汗した身体を冷気が包む感じである、とか。カラカラと古い扇風機の回る食卓に、茹で上がったトウモロコシの山、とか。エアコンのない祖母の部屋でマッサージをすると3,000円くれたのだけど、もしかしたらあれは孫に3,000円をあげる理由を探していただけなのかもしれないとか。
2年前の正月。ずっと認知症を患っていた祖母が、絞り出すようにして僕に言ってくれた言葉がずっと頭にこべりついている。しっかり生きようと思う。恥ずかしい真似はできない。昨日と今日、そればかりを呪文のように誓っていた。本当にありがとう。