フルタ丸流行語大賞

早朝4時に事務所集合。前泊するメンバーがいたりして、色々なトラブルに見舞われながらも、なんとか出発できた。こんなにも良い朝を過ごしたのは久しぶりだった。


夜は事務所で忘年会をかねてフルタ丸会議。来年のことを中心に話しながら、話題は年に一度のフルタ丸流行語大賞について。単純に言えば、フルタ丸内で流行った言葉、場面、モノを振り返る。作品を振り返ることはしないが、こういうことはやたら楽しい。エントリーを発表する。


1「とりもちこっこちゃん」
美濃公演でお世話になった道の駅の露店で売っていた伝説の肉棒。モチ、鶏肉を交互に刺していき、それを丸ごと揚げているかなりボリュームのある代物。美味すぎて中毒者が続出した。


2「くじょうのきーろん」
清水さんの言い間違えシリーズ。「机上の空論」と言おうとして、まさかの逆。


3「川が力をくれる」
これも清水さん。東京公演で不調に陥った後、美濃公演で息を吹き返した。理由は長良川で遊んだからだった。


4「紙やな」
美濃公演の舞台美術を担って頂いたワタナベ工芸の渡辺さんが放った一言。和紙の魔術師。なんでも和紙で解決するという匠。天窓から漏れる光を防げるのか悩んでいた時、匠は静かに、しかし、力強く言った。「紙やな」。あっという間に屋根に登り、和紙で天窓をふさぐという離れ業にフルタ丸一同、脱帽。


5「フルタさん…たいへん申し訳ありません」
4月、当時の演出助手であった寺山が「下北コロッケ」でおかしたミスを僕に謝ってきた言葉。まるで人でも殺してしまったかのような絶望を全力で身にまとい、絞り出すように言った。フルタ丸お馴染み習字看板に黒ガムテをくっつけて破いてしまったということだった。怒るよりも笑った。


こうやって振り返ってみると、美濃公演で起きたことか清水さん。今年は、このへんが強かった。あとは寺山だろうな。フルタ丸を去る時の句(LINE)も今思えば味わい深いものがあった。どれも良かったが、今年は満場一致で「紙やな」に決定した。
渡辺さん、おめでとうございます。僕らはあなたのファンです。