あの日、行ってないであろう自分

いよいよ次の公演『ビッグマウス症候群』一色になってきた。
寝ても覚めても、だいたいそれ絡みのことばかり考えている。
あれは大丈夫だろうか…そうだ、アレをアレしなければ…。
心配性で不安なので、そういったことに鬼のように駆られてしまう。


去年から本公演が年に一度になっている。
今後どうなるかわからないけど、今年もフルタ丸の本公演はコレ一本。
ここに全ての調整を持ってくるような一年間の使い方ができれば一番良い。
一年ぐらい前、岐阜でも本公演をやると決めた時、今みたいな心境でもなかった。もっと気楽に考えていたはずだ。


「岐阜でもやろっかな」


くらいに思っていた。
今は少し変わった。岐阜県美濃市に演劇を持っていくことに、勝手な使命を燃やしている。これは要請があったわけでもなく、誰に頼まれてもないので、完全に自家発電であり、思い上がりだ。けど、最近はその自家発電のはずのエネルギーに逆に生かされていて、僕はどこかで救われている面もある。


高校生の頃、良い年になった大人達が、地元出身者だからという理由で地元公演をやっていたとしたら僕は観に行ったのか?
当時、全く演劇に興味のなかった自分には遠い話だったに違いない。
斜に構えまくっていたし、知った所でたぶん行ってない。
でも、あの日、行ってないであろう自分をいかに会場まで足を運ばせるか。そこに演劇を届けるか。何かしらのエネルギーを感じ取ってもらえるか。
僕の感じているやりがいの一端は、そういうことでもある。