衝動を実感に変える夏

8月から始めた最強の二人芝居プロジェクト『虎の館』の稽古が終わった。
正確には第一次稽古期間なので、終わったようで終わってない。
けど、いったん終わったのか。


充実感と手応えを感じた。
稽古の進み具合にというよりか、このプロジェクトそのものに対して。
でも、今夜の稽古が、このプロジェクトへの大きな活路となったような気がしてならない。なんか良かったのだ。
山田伊久磨、清水洋介の両人が、まるで夏の街灯に突っ込んで行く蛾みたいな姿勢で作品にぶつかりまくっていた。通し稽古を見ながらニヤニヤが止まらず。


何より、この『虎の館』への期待が募った。
この二人芝居は傑作になる。
自信がないとは言いたくない。謙虚でありたくもない。
そんなことを言ってたら、最強なんていう阿保のような冠が報われない。
やるのみ。そして、やれる二人が取り組んでいる。


これからしばらく3人での稽古がない中でも、常に作品と向き合うということが要される。24時間、片時も忘れてはならない。忘れると、首輪が爆発する仕組みになっている。嘘だけど、つまるところ、この作品を生活にしないといけない。
苦行だと言う人もいるかもしれないが、伊久磨さんも清水さんも、残念ながらそれを苦行だと思わない人だ。
日常と演劇を同機し続ける。
どうやら2人は自主練を積んでいくようだし、僕は僕で今日録画したビデオを見まくって、改訂のポイントを探り続ける。次なる作戦も考える。
とにかく叩く。身体も脳みそも叩いて、硬い硬いものにする。
どうか待って頂きたいのです、『虎の館』を。


で、このプロジェクト繋がりで言えば、最強の二人芝居プロジェクト2の方も、年内に大きく動き出す予定。準備を開始している。大勝かおり&加藤玲子ペア。
こっちは女優が二人。作品を書くのが楽しみで仕方ない。


昔から創りたい物語のアイデアはいくつかノートにある。日に日に増えている。それをどうやって世の中に出すかたまに考えるのだけど、二人芝居という出口がだいたい適してしまう気がする。あれもこれも、二人芝居で出来る。今回の稽古をやっていて思ったのが、二人芝居の構造的な強度。二人芝居自体が最強なのかもしれない。


とにかく、精進します。