堂々としているパン屋
稽古場の近くにある古いパン屋。
もう70代だと思われるおじいさんが一人でやっている店で
フルタ丸の中ではちょっとした有名店だ。
有名な理由はコレ。
宮内くんが見つけたのが発端だったか。
ドラえもんパン。
ギャグやネタで作っているわけじゃない。
本気で作っている。
至って真面目に。
そして、このクオリティだ。
中国でも、もう少し似せて来るだろう。
おじいさんは、いつ行ってもこのクオリティを保っている。
これ以上、上手くはならない。下手にもならない。
むしろ、ここを目指しているんじゃないかと思えてくる。
他のパンも軒並み不味い。
このドラえもんパンだって、
美味しくはない。
でも僕はたまに行ってはこのパンを買ってしまう。
不味いなぁと思いながらも食う。
なぜか。
おじいさんが常に堂々としているからだ。
まったくブレない。
悪びれた様子もない。
自信に満ち溢れている。
だから、僕は行ってしまう。
おじいさんのファンなのかもしれないな。