ラッパが似合う朝に

パラレルを作った背景には
実は重要な事実が一個ある。


それだけは誰にも話さないでおこうと思ってた。
実際、話すつもりもない。


けど、昨日観に来てくれたフルタ丸の宣伝美術を担当してくれている
高校の同級生であるアートディレクターの隼ちゃんにはバレた。


最寄り駅から家までの道すがら、隼ちゃんと電話で話しながら歩いた。


バレたくないと思っていながらも、誰かにバレたかったのかもしれない。
それについて隼ちゃんと話しながら、束の間のノスタルジーに浸った。
僕の作る作品は、過去があって、今を見つめて、そこから未来へ向かっていく。
典型的なノスタルジー気質だ。
しかし、過去だけはどうしても無視できない。


家に着くと、娘が起きていた。
続けて隼ちゃんと電話をしていると
娘が「話したい」と要求。


隼ちゃんとの電話に代わった。
その電話口で、隼ちゃんが娘に何を言っていたのかはわからない。
それもまた不思議な時間だった。


今日でパラレルが終わる。
演劇のいい所は終わることだと思っている。
終わるから次がある。
次がなければ生きる意味がない。


パラレルが忍び込む。
僕の生活に、あなたの生活に。
さらば。