ねこバス

約束通り、ジブリ美術館へ行った。



娘がねこバスに乗ったのを見ていた。
大人は乗れないので、柵越しに。
娘は窓枠に手を掛けて、


「わー」


と言ったような言ってないような、
とにかく感情のキラメキと共に乗り込んで行った。
気付くと、僕はいつの間にか、娘の視点になっていて、
まるで自分がねこバスに乗ったかのような錯覚に陥った。
なんだろ、これ。
幽体離脱か。
あの瞬間、同化した。
子供というのは、本当に不思議で仕方ない。
遺伝子か、なんだろ。よくわからんけど。