青春の扇動者

伸び過ぎた髪を切るために、稽古前に美容院へ行った。
7年間くらい切ってもらっていた男の美容師さんが軽井沢へ帰ってしまったので、
若い女の人に担当が変わった。
ぼんやりとした打ち合わせのまま、話半分でカットがスタート。
髪型にこだわりは全くないので、先日買った寺山修司のムック本をむさぼり読んでいた。
本の裏に、


時速100キロで駆け抜けた
“青春の扇動者”の虚実


と書いてあって、それはその本自体のキャッチコピーみたいなもんだけど、
寺山修司を指して「青春の扇動者」っていうフレーズが妙にハマっていて、
羨ましくなった。


気が付くと、散髪は終わっていて、
鏡に映る僕はなんか坊ちゃんみたいな髪型になってしまっていた。
村上春樹っぽく言えば「やれやれ」ということになるだろう。