寒空とスナック菓子

最近、娘がベランダに出たがる。
うちのマンションは2階だが、特段イイ眺めでもない。
けど、娘にとってはベランダに出ることに価値があり、
「お空、見る!」
その主張は日に日に増すばかりだ。
今日は、奥さんの食っていた「とんがりコーン」をもらい
ベランダに出て座りながら食べることを要求してきた。
娘なりに景色を眺めながらスナック菓子を食らうことに風情を見出したのか。
まー分からないが、この顛末としては、
全然、空なんか見てなかったのである。
僕の手から、とんがりコーンをもらうことだけに気を取られ、それを口に運ぶだけだった。
寒いベランダで、太陽の光を浴びながら、とんがりコーンを食った土曜日。
そんな土曜日も、もう夕暮れだ。


先日、世田谷文学館寺山修司の展覧会に行った。
僕は寺山修司が好きなのだが、その理由を説明しづらい。
彼の書いたシナリオや戯曲を何回も読んだ。
いや、何回も読んでしまった。
作品や発言、それがなんか全体的にかっこいいんだ。
うん、それぐらいあいまいな理由になってしまう。
理由を考えたことがない。もっと感覚的にヤラれたんだと思う。
そんな演劇人、僕にとっては寺山修司だけです。