こねくり回してぶん回す

台本っていうやつは、
締切がないと書けないとはよく言いますが、
ホントそうです。異論はナシ。


最近では原稿の仕事も、いつも締切ギリギリにならないとやってない。
ギリギリにならないとやる気がしない。


書きたいし、書かなきゃいけないし、
そんなことは百も承知なんだ。承知なんだ。俺は2回言う。


でも、余計なことをやりながら、
遠回りしながら、
頭の片隅にはいつもあって、
それを無意識に育てているような感覚もある。
で、育ったような気がして、いざ取り組もうとすると


「違うな、なんか違う。違うってことは分かるんだ。ダメだ、こんなのでは…」


事務所や家の部屋で、一人でずっとそう言っているわけで
気が付くと、また書き出せずに
「来年はフルタ丸で沖縄行きたいな、これは絶対に行きたい」とか沖縄のことを考えている内に、その日が終わってしまうこともある。


イデアと素材をこねくり回しながらぶん回して、
ため息ついて、
「ああ、これかもしれねぇな」という確信らしきものを得て
ようやく書き始められる。


俺は締切を守る男として、フルタ界隈では有名です。
記憶にある限り、仕事もフルタ丸も一度も破ってない。
真面目だな、俺。ばかやろう。ちくしょう。破りたいけど破れない。