消えた、うどん屋

沖縄そばが食える店がつぶれて、
そこにうどん屋ができたのは2年ぐらい前だった。
そのうどん屋が少し前につぶれた。
下北沢は居ついてみてわかったが、店の入れ替えがべらぼうに激しい。
簡単にいえば、すぐ潰れる店が多いのだ。
で、その跡地に誰かがすぐ店を構える。
空家ということがまるでない。
入れ食いである。
こんなことをもうずっと続けている街でもある。


下北沢の街全体がどこか熱病にでもかかっているように感じる。
夢を見る若者しかり、大人たちも。
切羽詰まっている感じだ。
ロハス的な生き方とは対極。


うどん屋がつぶれるための伏線はあった。
丸亀製麺ができたのだ。
激安で良質なうどんを提供し始めて、つぶれたうどん屋は焦った。
対抗しようと値段を下げた。
そんな値段で回るはずもないだろうに。
その踏ん張りは長くは続かなかった。


ある時、店の前を歩くと、シャッターが閉められていて
「店主が病気のため閉店します」と紙が貼られていた。


巨大なものに飲みこまれたうどん屋の運命に悲しくなった。
あの店主が元気になってくれることを祈るしかない。
孫のためにうどんを打ってほしいなぁ。
そう思うしかない。


あ、なんかサビシイ感じになってしまったな。