演劇詐欺

こんな言葉あるかどうか知らないが、ある。


一昨日、制作の和田から「フルタさん、どうにも怪しい人から電話がかかってきました」という連絡が入った。
話を聞けば、どうやら某劇団からフルタ丸に客演の依頼なのだそうだが、その某のやつが素性を明かそうともしない。
しかも、演劇ではなくTOKYO・FMで1時間の枠を取れたから、そこでラジオドラマをやるのだという。
その女性キャストをフルタ丸から呼びたいとかなんとか。


僕の携帯番号を教えたということで、電話がかかってくることになっていた。
もうツッコミところいっぱいで、こうゆうのが大好物な僕は電話を心待ちにしていた。


間もなくして電話が掛ってきた。
和田から聞いていた通り、話し方は朴訥。


でも、胡散臭さいっぱい。
僕の仕事上、TOKYO・FMで枠を取るというのがどうゆうことなのか全部知ってるわけだが、
誘導尋問作戦で、色々と聞き出そうとした。


奴は咄嗟のフリにもめげず、フルタ丸を知った経緯やらをもっともらしく語ろうとした。そのもっともらしいという型こそが一番怪しいのである。


最終的にどんな物語なのか知りたいからメールで送ってもらいたいと言ったところ「9割以上はできています。あれ、電話の調子が…あれ?電話の調子が…」とか言いながら切られた。


不完全燃焼である。
この会話を全て録音して、芝居の客入れのときに音声として流してもいいかなと思ったから。面白いのかどうか知らないが、僕は大変愉快だ。


今思えば「メールで送ってもらいたい」という打診がよくなかった。「どんな物語なのかあらすじだけでもいいから聞かせてほしい」と言うべきだった。