一日遅れの卒業式

金八先生の最終回を見ました。


昨日録画してあったんですが、
4時間という、もはやドラマでも映画でも括れないような長さに躊躇していた。
けど、「ええい」と思って見ました。


僕が金八に熱中していたのは第4シリーズから第6シリーズの3つ。
第4は中2の時、第5は高校生の時、第6は大学生の時。
録画したビデオを見返しまくったり、金八の関連本が出ると購入しまくったり、サントラも買って聴きまくっていた。
とにかく過度にハマっていた。


自分が感動したように誰かを感動させるものを僕も作りたいと思ったのが中高の時。
百パーセント、金八先生の影響を受けたはずだ。
ドラマとしての存在感は、今思い返しても圧倒的だった。


上京した僕は、意味も無く赤坂のTBSの周りをぐるぐると歩きまわったし、
日曜日になると、北千住まで行き荒川の土手を歩いて帰って来た。
そこに金八先生はもちろんいなかったが、
僕の中での東京は、大学のために上京してきた場所である以上に、
金八先生というドラマが撮影されて放送された場所であった。


そんな金八先生の最終回、見た人は分かると思うが
ラストシーンは体育館で、出席した全生徒の点呼。
スーパー地味である。
かつての生徒は返事と共に立ちあがり、当時のシーンが一瞬フラッシュバックする。
もはやフツーのドラマのセオリーは完全に無視されていたが、
これが金八先生の最終回として大正解だと途中で気づいた。
生徒達が成長して変わった様子を見るのが楽しくてしょうがなくなった。


かつて生徒だった人の中には、
もうテレビでは見なくなって、一般人になっている人がほとんど。
そこがたまらなかった。
当時の生徒たちの顔を一方的に知っている僕は、
一方的な同窓会気分を味わえた。
ドラマを見ていて同窓会気分を味わえたドラマはむろん初体験。
これ以降もないかもしれない。



北の国から」の最終回の時も思った。
実生活と同時に、ドラマの中でもリアルタイムが流れる作品がある。
数十年に及ぶ人間の生き様としての歴史を、
演じる役者に投影して楽しむ、泣ける。
金八ドキュメンタリーを見た。


初心忘れるべからず。
前に進もう。