ホワイトデーとか誰も気にしてない

今日はホワイトデーだったはずだ。

報道はもちろん、街を見渡しても、そんな雰囲気は全くなかった。

街のスーパーやコンビニからは

食料品や生活用品が消えたり、上空をヘリが飛び交ったり、救急車のサイレンが妙に耳に付いたりした。

小田急も運休があって、ちょうど僕の住む千歳船橋の手前である経堂から新宿の間だけ走っていた。

昼間なのに電気を落として真っ暗になった駅の構内はとても不気味だった。

東京が騒然としていた。

僕もこんな状況に身を置いたのは生まれて初めてで、混乱した。

ニュースを見ても、全てが悪夢であったらと何度も思うが、どうにも悪夢ではない。

夕刻、下北沢へ自転車を走らせた。

事務所に立ち寄り問題ないことを確認したあと、下北沢の街を徘徊した。

緊張感があった。

一見いつもの下北沢のように見えるけど、計画停電の予告を受けた後遺症でぐったりしているような感じがあった。

僕がどうしても気になってしまうのは、劇場。

上演が中止になった公演もあった。

なんか自分のことのように凹む。

一つの公演を成立させるための準備やしんどさが分かるだけに、なんとも言えない気持ちになる。

こんな状況だと、上演しても客足が厳しかったりもするだろうとも思う。

演劇の火を絶やしたくない。

僕にできることは、それだとも思う。

鼻水ずるずるだけど、原稿を書こう。