チェンジ、俺

子供が生まれてから変わったなーと自分で思う所がある。


街で赤ん坊を見つけると、じーーーーっと見てしまうようになったことだ。
前はそんな興味が向く対象ではなかったのに。


変わった。
オレ、変わった。
チェンジ、俺。


赤ん坊を見つけると言っても、厳密には赤ん坊が単独でいることはない。
単独でいたらいたで、それは問題だ。


赤ん坊の隣には母親らしき人物と父親らしき人物の姿がある。
僕はその家族全体を俯瞰で見ようとするようになった。
よく言えば観察ですな。
人間観察とも違う、家族の観察。


今日も小田急線で向いの席に座る赤ん坊を抱えた女性を観察していた。
隣に座ったどこかのおばさんらしき人物が、執拗に赤ん坊に絡み出した。
こうなると、この顛末はだいたい予想がつく。
おばさんは、赤の他人である目の前の赤ん坊の将来を案じ始めた。
案じて、勝手に女性にアドバイスを送り始めた。
それをありがたそうなフリで頷く女性。


「大丈夫。自分の子供を他人と比べちゃダメよ。大丈夫」


おおむね、「大丈夫」を連発していた。
そして、案じながらも


「私も子供を2人育てたの。お姉ちゃんの方がよく勉強ができてね……やっぱり、私は他人と比べなかったから」


うわーーーーー。


もはや、おばさんは自分のことを語りたい&発表したいモードに入っていた。


という一部始終をずっと観察している俺はナンナンダ……。



今日は仕事がうまく片付かず、ウディ・アレンの新作映画を観に行けず残念。
あー観てぇ。