極寒の睡眠術

またしてもソファでごろ寝してしまった。
よくないとは分かっていつつもダメだ。
ほぼ暖房が消えかかった部屋で、上着だけ来て、下はトランクスのみ。
そんな格好のままうつ伏せで寝ていた。
ふとんも何もない。
寒過ぎて死んでいたかもしれないが、死ななかったのはジョンが足の間で丸くなって寝ていたからだった。
やつが湯たんぽのような役割を果たした結果、僕はこの世に戻ってくることができた。


4時ごろにふと目が覚めた。
ソファの真横にあるジョンのトイレには、確実にうんこが落ちていた。
ジョンがしたうんこだった。ジュンじゃない、ジョンだ。
普通であれば、すぐに捨てるべき対象物。
しかし、明け方4時のホワイトアウト状態の僕を想像してほしい。
今にも凍えそうな状態の僕を。
もちろん、うんこはアウトオブ眼中だった。


毛布を掴み、再び、ソファで寝転ぶ。
真横にはジョンのうんこがあった。
もはやどうでもいい。
毛布が暖かいということの方が重要だった。


朝を迎えた。


うんこはうんこのままだった。
孤独なジョンのうんこ。


僕は生きていた。