24時間後の娘

今日もなんだかんだで産まれた娘のことばかりを考えて過ごしていた。


昼過ぎに一度病院へ行き顔を見て、
夜、再び病院へ行った。


ここ数日間、もう何度も病院へ来てる。
夜の病院は静かだ。
夏の夕暮れと相まって、抒情的でさえある。


廊下には同じく産まれたての新生児を見に来る人達がいる。
僕に娘が産まれたように、誰かの娘や息子も同じ時期に産まれたのだ。
みんな、同級生だな。


病室へ入る。4人部屋。


窓際の奥のベッドに奥さんと娘がいた。
ちょうどおっぱいを飲んでいた。


想像していた以上に産まれたての赤ん坊は、すでに人間っぽい。
爪とかもちゃんとある。
手も足も成人のソレと全く同じ。
ただミニチュアなだけ。
そして、雪見大福のように柔らかい。


最近、義父からもらった携帯電話みたいな形をしたデジタルカメラがあって、それがかなり便利だ。
もう撮りまくっている。今日も撮りまくった。たぶん明日も撮りまくるし、これからも撮りまくる気がする。


病室の窓から眺めの良い景色が見えた。
あれは首都高だろうか。


夜の首都高を高い位置から見る。
浪人生の頃、品川で同じ景色を見た気がする。
あれからもうずいぶん経つな。


そして、あっという間だな、人生っていうやつは。