祭りのあと

日本代表が帰国したニュースを稽古帰りの僕は上半身裸で、肉をたぷたぷと揺らしながら、食べるラー油をガツガツ掛けた豆腐を食いながら見ていたわけだ。
長い一文になってしまったが、事実である。食べるラー油を発明した人はノーベル調味料賞だろう。


記者会見が良かった。


WBCの時も思った。あれも記者会見が良かったのだ。
ひな壇に上がり、選手たちが前を向いたまま、スーツ姿で話をする。
選手たちが内輪ウケのようなことを言って笑っているのを見て羨ましくなった。
僕も代表に入りたいと思えてくる。
ふと、奥さんに
「俺、4年後、代表に入るわ」と言ったら、
「ムリだと思う」と言われた。


記者会見に話を戻そう。
パラグアイの敗戦後、ホテルで選手たちがどんな話をしていたかとか、想像するだけでごちそうさまでしたという気分になった。
勝っても負けてもやってくる、あの祭りのあとの感じ。そこに漂う雰囲気。


フルタ丸の次回公演「バラシて終わりと思うなよ」の中でも、それをいかに描くかがテーマだったりする。
好きなんだよね、祭りのあと。


高校野球の傑作である『タッチ』も『H2』も、あだち充先生は、最終話を描くのがとても好きだったそうだ。
その両方とも最終話は野球をやってない。完全に「祭りのあと」を描いている。
登場人物たちの何気ない日常をさらっと描く。僕はゾクゾクしたし涙した。きっと全部を想像できたから。


バラシて終わりと思うなよ。がんばる、今はそれしかできないし。日本代表になるのは我慢しよう。