実写版のジャイアンではない

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朝9時ぐらいか。小田急に乗って仕事に向かおうとしてた。
駅のホームで携帯をイジっていると、近藤からだった。
近藤については何度か書いてきているが、シンプルに言えばバカだ。
阿呆という高尚なものではなく、気持ちの良いバカ。
明治大学ラグビー部で鍛え上げられた屈強な身体は、今尚、ヘンな形のボールを追いかけるスポーツに酷使しているそうだ。
そんなバカから電話。
朝早いのになんだと思いすでにイラついたわけだが、電話に出た瞬間謎が解けた。
あいつは向かいのホームに座っていた。
そこから俺を見つけて電話を掛けて来たということだ。
右手にはマクドナルドのハンバーガーを握りしめている。
アメコミに出てきそうなマスコットみたいだった。


近藤はこれからラグビーの試合に向かうという話だった。雨降ってるぜと思ったが、きっとこいつの住む世界の話では愚問だろう。
あと聞いた話によれば、近藤に彼女ができたという話だった。
勝手に書いてもいいだろうと思い書いている。
ということで、もう少し書いておこう。
田町に住む大学院の女の子らしい。
「紹介しろ」と言うと「遠いからさ…」と言い訳してくる。
遠くねぇよ。
今度、彼女を紹介してもらう機会に恵まれたら、その時は長年近藤に借りたままになっているAVを返そうと思う。