世田谷 シェ・かつ乃 「きみプリン」 330円

事務所に置いてある社用車(僕だけがそうたまに呼んでいる。自転車のことだ)が、
しばらく乗っていなかったこともあってタイヤの空気がなくなっていた。
パンクしているわけではない。
乗らないまま過ごしたら、いつか捨てる日が来るだけだ。
心なしか1年前に買ったこの自転車は錆び始めている。
乗らないとダメになる。ダメにしてたまるか。


太陽の見えない下北沢の午前。
空気のない自転車を転がしながらプリン屋を目指していた。
川瀬から聞いた世田谷にあるプリンの名店「シェ・かつ乃」。
その所在が事務所のすぐ近くであることが判明したので無類のプリン好きとしては行かなくてはならない。


梅丘通りの手前で自転車屋を発見し空気を入れてもらった。
そして、おやじに50円を請求された。
今まで自転車屋で空気を入れてもらって金を取られたことがなかったのでショックだった。
「空気ぐらいタダで入れてやらあ」という自転車屋の気概というか心意気がずっと好きだった。
もしも己が自転車屋になる日が来たら、絶対に空気はタダで入れてあげたいと心に誓った。


梅丘通りを左折して自転車をこぐと、歩道まで行列が出来ている店があった。
「シェ・かつ乃」である。
駅からも程遠い所にあり、こんな小さなお店に午前中から行列が出来ていた。
20分ぐらい並んで、そこの名物「きみプリン」を購入した。
たまごの卵白部分を使わずに黄身部分だけで作ってあるプリンで午前中には売り切れるらしい。

卵には産地直送というこだわりの卵を使用しており、ビタミンEがふつうの卵の20倍らしい。
20倍の効用はよく分からないけど、なんとなく得した気分になるのは確かだ。
カラメルはやや苦めだと書かれている。


さあ、いかほどに。


一口目の黄身感!
味が濃厚というのともまたちょっと違う。
あっさりとしているが濃いと感じるこれは何か。
黄色いものを食べたという視覚から来る濃さか。
スプーンはサクサクと掘って口にプリンを運んだ。
僕の中では「固めプリン」ブームなので、このぐらいの固さがちょうどいい。
何より名前がいい、きみプリンって。すごくいい。


味  ★★★☆☆    
個性 ★★★☆☆
中毒性★★☆☆☆
名前 ★★★★☆


これまでコンビニプリン専門だったせいか、330円という値段が高く思える。
コンビニのプリンなら3つ買えてしまうぞ。
ま、そんなこんなで、プリン道を歩み始めた。
今年は色んなプリンを食べますよ。プリンよ、宜しく。