ふざけんな、何が人生だ

かつおぶしだよ人生は』


言わずと知れた加藤なんとか君のデビュー曲。どうやら紅白歌合戦に出るみたいだ。
あんなに若くして紅白出場が決定かよ。たぶん、その重みとかもあんまり分からない年だろう。
紅白に出たくて頑張っているミュージシャンもたくさんいると思うが、彼らの目に加藤くんみたいな子供はどう映るんだろうか。


大人の事情だとか、視聴率だとか。
そんな現実的なことが頭にチラつき「しょうがないよ」の一言で流していく人。


そうじゃない人もいるだろう。
シンプルに悔しい人だ。
晦日。その日もバイトしてて、バイト先の店内でテレビがパッと付いてね。
そこに出場している加藤くんを見て、だんだん腹が立ってくるというか。ムカついてしょうがないっていう人。

「ふざけんな、何が人生だ」


僕はそうゆう人が好きだ。
もろにバイトの仕事にも影響を来たしたりなんかして、皿とか割ったり、客への対応が横柄になったりね。
で、案の定、店長に怒鳴られる。



稽古に向かう井の頭線の中で久しぶりにクロマニヨンズの『夢の島バラード』を聴いた。
そこにこうゆう歌詞が出てくるんだ。


「夜の闇にあり 朝の光になし」
「冬の枝にあり 春の宴になし」
「スケジュールなし ただここにあり」


最後の「スケジュールなし ただここにあり」っていうフレーズがどんなに優しいか。
その毅然とした様。「ただここにあり」。これこそが全てなんじゃないかって思う。
全然華やかでも凄くもない日々。悔しい日々。それでも「ただここにいる」という現実と日常。それだけ。
でも、そこから全部が始まるわけだ。そこには小さな宇宙があって、そこには無限大の豊かさが詰まっている。
僕はそうゆうふうに思う。