ほんの一瞬だった

ラジオの現場に行くべく事務所を出た。
いつもの道。
いつもの古本屋「DORAMA」の横を通り過ぎようとした。
急いでいたし、何気なく横目で通り過ぎようとした。


が、二度見してからSTOP。


そこに、欲しいと思っていた新刊のハードカバー本があった。
急いでいることを忘れて手に取る。
ほしい。
これは何としても欲しいなぁと思い財布を見たら、600円しか入ってない。
800円の本だった。
急いでATMへ行った。
金を下ろして古本屋に舞い戻った。
その時間、わずか5分ぐらいだったと思う。
もうお分かりだと思うが、なかった。
本はもうなかった。


ヤラレタ。


たった5分の間に。
がめつい気持ちで狭い店内を見渡すと、メガネかけたおばさんがその本をしっかり握っていた。
この時の僕の悔しさと言ったら、もう尋常ではなかった。
「コラァ、ババア!」
とは言ってないよ。言ってないけど、そうゆうマインドは渦巻いていた。



本だけに「ほんの一瞬」の出来事だった。合掌。


人様の本を読んでる場合じゃない。
そろそろ次回公演の台本を書き始めたいしね。