水をかけろ

最近、ジョンの食欲がない。

ちっともドッグフードを食べないのだ。
子犬に餌を与えるときの手段に、ドッグフードに水をかけて食べさせる方法がある。
それをやってみたら、食った。
なぜか水をかけた「水ドッグフード」は食べる。
なぜだろう。
人間でいえば、水をかけたご飯ということになる。
「水ごはん」か。
理解しかねると思って、コーンフレークを食べている自分に気付いた。
水ドッグフードを食べるジョンの横で、僕は毎朝、牛乳をかけたコーンフレークを食べている。
そこで、妙にジョンの気持ちが分かった。


以前、書いた杉並区のバイト面接の件。
「奪いに行く」
と豪語した。


室内プールの監視員のバイトだ。
面接を受けていると、休憩に入るバイトの子たちがやってきた。
みんな痩せて引き締まっていた。
僕はと言えば、太っている。
そういえば、プールの監視員は痩せている人しか見たことない。
太った人に監視は務まらないというのか。
逆に燃えてくる。
空回り。
やはり、僕は面接でつまづいたような気がした。



あれから、音沙汰は全くない。



「奪えず」という結論に落ち着いたようだ。
杉並区でバイトをしなければならないというとある事情は、とある裏ワザで回避できることになった。しかし、悔しいもんだな。