ある日、少年は自分はプロ野球選手になれないことに気付く。
自分は人よりも何か抜きん出ている才能があるのではないかという期待と錯覚は人の常だ。
でも気付く。
どうやらたいした才能が自分にはないという事実に。
これが残酷きわまりない。
ある日突然、決定的に気付くのだから性質が悪い。
ないものはない。
捏造してもバレる。
じゃあ、どうするか。
あこがれる。
もっともっと今まで以上にあこがれる。
自分があこがれた人や状態にあこがれる気持ち。
これを推し進める。
ギラギラに輝く。
だから今日もあこがれる。
真剣にあこがれる。
そこに才能は要らない。
「あこがれ」は足りているか。