近藤、近藤、馬鹿、近藤
大学時代の友人に「近藤」という奴がいる。
彼はラグビー部だった。
高校時代に花園へ出場し、ラグビー推薦で同じクラスに入ってきたのだ。
僕らが受験勉強をしていた頃、彼はラグビーをやっていた。
屈強な体を持ち、そして心優しき馬鹿だった。
今夜、駅前でそんな近藤と待ち合わせをした。
彼はやくざみたいな風貌で立っており、こっちへやってきた。
飲むべく近所の「鳥貴族」へ。
カウンター席を陣取り、飲み始める。
近藤はすごいペースで焼酎を飲む。
ゴールデンウィークは、主にガンプラ(ガンダムプラモデル)を作っていたという。
一応、不安になり「近藤、アメリカの大統領とかって誰かしってんの?」と聞いた。
やや間があって。
「…オバマ。……苗字は知らんけどな!」と返ってきた。
だいぶ食って、だいぶ飲んだ。
最終的に近藤は熱いことを言った。
照れくさそうに、「俺はサラリーマンだけどな」と付け加え、
「夢を追っている奴が一番尊いんだ。俺はそう思う。だから、がんばれ」と言った。
こんなことを彼の口から聞くとは思っていなかった。
驚いた。