渋谷ドッグ天井桟敷

映画『スラムドッグ$ミリオネア』が見たくて渋谷へ行った。
渋谷も映画館も混んでいた。
そうか、まだGWだった。

もう10時40分からの回は満席ってことで、次の回のチケットを予約しようとしていた矢先、僕の前に並んでいた初老のおばあさんが青いカードをチラつかせる。
「このカードなら900円」
チラつかせたかと思うと、隠すようにサッと財布にしまいこんだ。
「…」

意味がさっぱり分からずに聞き返すと、そのカードを持っているおばあさんはこの映画館の株主であるらしかった。
そう言われれば、なんとなくセレブな感じもする。ロマンスグレーだ。
株主は900円で映画が見られるという。
半額か、なんていいんだ…。
当然そのままなんとなくおばあさんと仲良くなり、当然一緒にチケットを買ってもらった。
おばあさんが言っていたことは本当で、チケットは900円だった。
ツイていた。運があった。おばあさん、長生きしてください。

映画もすごく面白かった。手に汗を握った。見ながらインドを旅していた頃を思い出した。またインドに行きたい。


そのあと、渋谷のラブホテル街のど真ん中にある「ポスターハリスギャラリー」へ。

寺山修司が率いた劇団「天井桟敷」のポスター展。
強烈なポスターが並ぶ中、寺山修司直筆の「原稿」や「台本」や「ダメ出しメモ」も展示してあった。
もちろんガラスケースの中だったり、額に入っていたりするのだが。
触りたいけど、触れない。女性のおっぱいみたいな感じ。
まーたまらなかった。
寺山修二の書く文字は丸のような四角のような可愛らしい字体。
それをいつまでも見ていたい気がした。
近々、また来ようっと。