9回の裏

昨日、映像の制作会社から『ガイライ魚』公演を撮影&編集したサンプルDVDが届いた。
それを見てた。
よく撮れていた。
見たいシーンを繰り返し見る。
ずいぶん見ていた。
何回見ても、もちろんタダ。
しかし、こんなことをしていたら、他のことが何にも手に付かないやと思いやめた。
気になったいくつかの修正点を確認してメールを送る。
それで問題なければ、『ガイライ魚』のマスターDVDが完成する。
これまでとは、ちょっと違う気持ちになれた。
もっと嬉しい気持ちがあった。


今、フルタ丸のDVD作品は、『催眠術』『あたらしく別館をつくろう!』の2本。
そこに『ガイライ魚』という作品が加わろうとしている。


フルタ丸を続ける理由は何だと聞かれて、宮崎駿に感化された僕は「世界を変えるためだ」と言ったけれど、まだ世界は変わっていない。ということは、情けないが、僕は嘘を付いたことになる。


ごめんなさい。本当に。


あの日、下北沢の劇場で世界を変えようと思ってやった。
そこに「思ってやった僕ら」がいて、ここに「変えることができなかった現在」がある。
ただ、まだ9回の裏は終わっていない。


DVDに祈りと思いをこめて発売したい。


そして、始まる。