降り積もる米と雪

久しぶりに、下北沢の事務所で1日を過ごす。
原稿の仕事をしたり、コントライブの事務的なもろもろをやっていた。


昼頃、やはり腹が減り「下北どんぶり」という、海賊のような店に行った。
600グラムの米にカレーをかけた「暴走カレー」というやつがあって、それを頼んでしまった。
頼んでから後悔した。
僕の隣りの男が、まさにそれを食っていたからだ。
大雨の日に、アスファルトに出現する水たまりのような量であった。
そんな後悔の最中、店内に広瀬香美の『ピアニッシモ』が流れた。
冬の女王が歌う雪の曲だ。
僕は『ロマンスの神様』よりもこの曲が好きだった。


岐阜の地元で雪が降ると、よくこの曲を聴きながら外に出たもんだ。
雪の降る中をあてもなく歩いた。
外灯付近に近づくと、雪が外灯を受けて金色に光っていたのを思い出す。
無性に雪が見たくなった。
そんな淡い情緒に目を細めていると、目の前に暴走カレーを差し出された。

必死にたいらげた。


明日からコントライブの稽古が始まる。