おんがく

事務所のCDラジカセで、19(ジューク)の『紙ヒコーキ、あの曇り空〜』ばかり聴いている。
たぶん、今、日本で一番「19」を聴いているという自負がある。
僕が持っているのは、ライブベスト版というやつで、ライブで歌った『紙ヒコーキ』が入っている。
これがいいのだ。マイクが客席に向けられているのだろう。ほぼ、ファンの子たちの合唱になっている。
ファンの多くは女子だ。「キャー」という嬌声が混じりながらも、合唱が成り立っている。聴いてるとせつなくなってしまうよ。いや、せつなくなりたくて聴いてるのかもしれないが。


TKは詐欺容疑で捕まり、三木道三がメディアに登場しなくなって暫く経った。
突然、三木道三の話で申し訳ない。
ふと先日考えたのだ。「一生一緒にいてくれや」と歌った彼は、僕らの前に一瞬しかいてくれなかったのだ。なんという皮肉だ。
三木道三」の本名が「三木真一」であることを誰が知っているだろう。三木、僕は知っているよ。
その事実を鑑みつつ、彼の名前を見ていた。


どうして「三」で始まって「三」で終わる名前にしたんだろう…。
そもそも、どうして「三」にこだわったんだろう…。
「一木真一」になる可能性はなかったのか…。


全ての真相は謎のままだ。


楽家として、この世に誰もが知っている曲を一曲残すことの偉大さを感じる。
一曲で終わる人とそうでない人、そこの違いはなんだろう。
きっとそこには、働く全ての人に通じる真理がある。