おもしろき こともなき世を おもしろく

怒涛のセット作りが、土曜日と日曜日にあった。僕らは下北沢の本多スタジオという所に缶詰になって、ずっと創っていた。昨晩、いったん創ったものを、バラして事務所に押し込んだ。なので、今、僕はこの文章をほぼセットの中で書いている。事務所の中で公演が打てるかもしれない。そんな勢いだ。
昨日は、メンバーたちもみんな疲れていた。
うん、疲れていたなぁと思う。


世の中には観劇が趣味の人もいると思うが、おおよその人にとって演劇は別に生活に要らないものだとも思う。
映画なんかに比べて、一度も演劇を見たことがない人が多いのもきっとそのためだ。
悔しいけれど、多くの人にとって必要がないものを創っているのかもしれない。
それでも、どうしても思うことは、なんとかしたい現実があるってことだ。
生きていると、色んな現実が襲ってくる。僕は襲われまくっている。「どうにもなんねぇなぁ」っていう状況。日々、そんな感じだ。でも、一方でそれに抗いたいと思ってる。ヤラれてばかりじゃ悔しいから。だから、僕はこう思うようになった。創った演劇が抗う術でありたい。その術を求めてくれる人が一人でもいる限り、僕らにはやる意味と価値がある。