初期衝動の台本が見つかる

チラシが届き、夕方には、恵比寿まで折り込みに行った。
900枚。
来るねぇ、腰に!


事務所に戻る途中、パン屋「アンゼリカ」でじむに会う。
じむも僕も、みそぱんを買った。


じむは、先日、コードをちょん切ってしまったジグソーを直しにやってきた。

格闘の末、なんとか無事に直った。

ジグソーが片付き、事務所内の整理をしていると、僕が生まれて初めて書いた演劇の台本が見つかった。
パソコンにデータとして残っていないので、原本がこれしかない。

大学1年生の頃、何かの授業で演劇を勝手に発表しようと思い書いたものだった。
フルタ丸を始める1年ぐらい前のことだ。
戯曲の書き方がよく分かっていなかったが、とにかく書いた。
その頃は八幡山に住んでいて、部屋で一人書いていたら、夜眠れなくなった。
興奮。興奮していた。一気にどんどん書いた。きっと、あれが僕の初期衝動だった。


結局、この台本は、一緒に発表することにしていたじむと稽古をしたっきり、立ち消えになった。
面倒くさくなったのか、怖気付いたのか。はっきりした理由は覚えていない。


読み返したいような読み返したくないような気分だったので、じむに読ませた。

「これやろうよ」じむが言った。