どしゃぶり

今、ビールを飲んでいる。冷蔵庫に水分がそれしかないからである。それにしても、一人で飲むビールはまずい。


祖師谷大蔵に「DORAMA」というブックオフみたいな店がある。古本を買い取ってくれる店だ。下北沢にも店舗があり、先日そこを訪れた際、作家別に買取パーセンテージが違うことが判明した。ちょうど僕がブックオフに売ろうとしていた本の中にも、高く買い取ってくれる作家の本が何十冊もあった。ならば、ここで売りたい。最近では、「古本屋で本を売って得たお金も収入である」と考えているので、中途半端な気持ちではない。高く買い取ってくれる取引先があるのなら、そちらへ行く。まるでドラゴンクエスト4のトルネコの気分だ。


原付を飛ばして、DORAMAへ持っていくと、どうやら作家別の買取パーセンテージを決めているのは下北沢店だけであったことが判明。しかし、「そこをなんとかお願いします」という、いつもの西高頭低の甲斐あって、無事に高価買取に成功した。時は16時を回ったところ。店を出ると、雨がパラパラと降り出した。


「あれが、また、くる。」


祖師谷大通りを歩く住民たちの表情にも緊張感が漂う。
「急がなければ!」と声に出し、なんとか持ってほしいと思っていた矢先、雨はどしゃぶりになった。


豪雨。


僕はそんなどしゃぶりの中、狛江まで原付を走らせた。
ちょうど着ていたTシャツが肌色だったため、雨で濡れて僕はほとんど半裸同然に見えたはずだ。
途中から、シャワーを浴び続けているような感覚に陥り、不快感が爽快感へと変わる。
すると、わざと水たまりの上を走り、水が横に「ぴゅーー」と飛ぶのを楽しむ余裕も生まれた。
しかし、雨粒がヒョウのように顔に突き刺さり、顔が変形するかと思った。変形はしなかったが。


ここ最近、昼間は晴れているのに、夜は豪雨。天気にリズムがある。
自然が僕らを試しているような気がする。