夏は終わった

ドラマCDのプロット書きに煮詰まり、カレーを食いに出かけた。
2時だったか、晴れやかな天気だった。肌を刺す日差しは夏そのものであり、信号待ちで白い雲なんかを見ていると感傷的な気分になった。
狛江に住居を構え、過ごす夏も今日でおしまい。そんなふうに考えたからに他ならない。
自室の窓から見上げた空は、せまっくるしい感じがあった。


夕刻、仕事に一段落が付き、テレビを付けると、NHKで「久石譲in武道館」のコンサートがやっていて食入るように見入った。
ナウシカからポニョまで」と題されたそのコンサートは、宮崎アニメのために作られた楽曲を次々に演奏していく。たまらなかった。最後、客席に鈴木敏夫と並んで座っていた宮崎駿。すくっと立ち上がり、花束を持ってステージに近づいて行くと、武道館内は「宮崎駿だ。宮崎駿だ!」と、ザワザワし始め、花束を受け取った久石譲は男泣きをした。宮崎駿久石譲の耳元で何かを言った。聞き取れない。2人にしか分からない会話。微笑む2人。僕はその信頼関係にゾクっとした。確かに、数日前に日本列島を掛け巡った「蒼井優とV6岡田くんのフライデーニュース」はショックだった。蒼井優が、もうどこか遠い所へ行ってしまった気がした。いや、近くにもいなかったのだが。しかし、そんなニュースも吹き飛ばす、もっと永遠めいたものを宮崎駿久石譲の関係性に見た気がした。
カッコイイじじいを見ると、うだうだ言ってる自分がバカらしく思える。
やるしかないのだ。全力でやるしかない。答えは、そこにしかない。