捨てられないもの

東京に来てから買った本が、かなりの数になっていることに気付いた。
8年も住んでりゃ、そりゃ増える。
そんな本たちを再びダンボールに詰め込んで、引越しすることを考えたら、相当憂鬱だ。
なので、要らない本はブックオフに売ることに決めた。
ヘビーユーザーの清水国明の言う通りにしようじゃないか。


そうなると、正直、捨てる本と残す本で、かなり迷うと思っていた。
けど、選び始めたら一向に迷う気配がない自分に驚いた。
無感情のまま、ダンボールにどんどん投げ込まれていく本たち。
ダンボールは、あっという間に一杯になった。

残った本は、ウディ・アレン関連の本、銀杏BOYZ関連の本、リリーフランキー関連の本、椎名誠関連の本、宮崎駿関連の本。あとは文献系の本。まぁ、そこまでは、選ぶ前から分かっていたことだ。
問題は、その他の読んで面白かった小説やエッセイを捨てるものと残すものに分ける基準だった。
自分では意識していなかったのだが、分別が終わって本棚に残った小説やエッセイを見た時、はっきりと分かった。


童貞性の小説と童貞性のエッセイが残った。


見事にそれが残っていたのだ。そこにしがみ付いて生きている自分を再認識するのと同時に、読んで救われたいと思ってる自分がまだいるんだと気付いた。捨てられない本には、その人間の人生が表れてしまう。そんな本は大切にしたい。