こんぺいとうの夜になれ

通りかかった文房具屋に水鉄砲が置いてあった。
夏の気温に促されるように、青いやつを買ってしまう。

中に水を入れて、右手で握る。
おそらく水鉄砲を握るのは10年以上ぶりだ。
そのわりには、妙にしっくり来るじゃないか。

最初は部屋で遠慮気味に撃ってみる。
水に勢いがあった。
どうしても、外で打ちまくりたい衝動に駆られて、窓を開けて撃ちまくった。

「アッーーーーーーーーー!」

すっかり気分はダイハードだ。
市民から「バカがいる」という目で見られた。



水鉄砲を手に入れた帰り道、駄菓子屋で懐かしのなんとかヨーグルトを手に入れていた。

子供の頃、むさぼる様に食べた記憶があった。
あの頃は10円だった気がするが、今は20円に。
石油の影響だろう。
いや、石油は関係ないだろう。
とにかく、かなりのノスタルジーを感じつつ食った。
これが驚くほど不味い。
なんなんだ、これは…。
僕は、こんなものを食いまくっていたのか。
道理で太ったわけだ。

嗚呼、こんぺいとうにすれば良かった。
その駄菓子屋に売っていたんだよ。
あいつは、星みたいで本当にきれいだった。
空に浮かんでたら、水鉄砲で一つ残らず撃ち落したい。