五右衛門ロック

歌舞伎町のコマ劇場へ、劇団新感線の『五右衛門ロック』を観に行った。

初めてコマ劇場に入ったが、劇場内のその広さに驚いた。
座席数は2000。
あまりの人の多さにゲロが出そうになった。

終演後、古田新太さんらとご飯を食べに行き、歌舞伎町を出ようとした時にはすっかり深夜だった。

3時。

本当はタクシーで帰れば良かったのかもしれないが、なぜか歩き出した。
無性に歩きたかった。
i-podを耳にぶっさして歩き始める。
銀杏BOYZの『東京』『光』『ナイトライダー』という3曲を順番に聴きながら。

真夜中のドコモタワーは、ひっそりとしていた。

僕は、甲州街道を歩くことにした。

新宿西口のニッポンレンタカーの前を通過。
かつてフルタ丸でトラックを借りる時はここでよく借りたし、前に皆と富士急ハイランドへ行った時も、ここで車を借りたのだった。

西新宿と言えば、背の高いビル。東京に来て8年になるが、ビル好きは変わらない。西新宿のビルはイイ。

フルタ丸の前回公演『あたらしく別館をつくろう!』のエンディング曲『デパートへ行こう!』を聴く。大槻くんと平野さんの声が、夜の街に染み入る。公演の最終日に配布したので、運良くこのCDを持っている人は、どうか夜に聴いてほしい。できれば、東京の街を歩きながら。この夏の時期に。汗とかかきながら。

八百屋。こんな時間なのに営業中。果たして、客が来るんだろうか。

ヘンな黒いやつを大量に積んだトラックが信号待ちをしていた。
勝手に犯罪のニオイを嗅ぎ取ったが、たぶんそうではないのだろう。
運転手さん、ご苦労様です。

首都高を下から見上げると、ミニ四駆のコースを思い出した。
高価なローラーを付けないと、よくカーブでコースアウトしたっけ。
首都高でコースアウトしてしまったら、死だ。

青白い外灯を見ながら、『崖の上のポニョ』を聴く。
街の雰囲気と曲の雰囲気が見事にミスマッチ。
いや、それでもなんか良かった。
このまま、僕はどこまでも歩いて行けると思った所で、タクシーをつかまえた。