毛皮のマリーズ

御茶ノ水を歩いた。
ちょっど思い出せないほどに久しぶりな気がした。
母校の前を通った。
すれ違う学生たちの目がギラっとしていて、僕にもあんな目をした頃があったような気がする。
今の僕の目は、少々腑抜けだ。悔しいね。自戒するしかない。


尚も歩いた。


神保町の大型書店に寄ったり、古本屋に寄ったり、っていうかこの町、本ばっかりじゃん。
そんな当たり前のことを思ったり思わなかったり。
今日は立ち読みで満足する本にたくさん出会った。


時間が来たので、そのまま歩いて九段下の日本武道館へ。

パンクバンド「毛皮のマリーズ」の解散ライブ。
今日をもってして解散というライブ。
日本武道館の初進出と同時に解散。



聴きたかった曲が聴けたし、すごく格好良かったのはもちろんだ。
集団が終わりに向かってタイムダウンが迫っていた。
1曲1曲が、そのバンドとしてその曲を歌える最後になってゆく。


ライブを見ているはずなのに、何か巨大な物語を俯瞰で見ているような気分になった。
毛皮のマリーズというバンドの歴史を勝手に感じて感傷的になった。
日本武道館がミュージシャンにとっての目標であることは今も昔も変わらない気がする。
それを無駄に騒ぎ立てることなく、いかにサラっとやるか。


サラっとやられた。


バンドの解散ライブってのもそうそう見られるもんじゃないし、良かった。