永井くんという男
今回の客演の永井佑昌くんという人物についてちょっと書かなければならないことが起きた。
昨日、永井くんと最も仲の良い共演者でもある工藤君の元に
「公演やりますよ!」という公演告知メールを送っていたことが発覚し、稽古場でやり玉に上げられた永井君。
「つい送ってしまった…」という弁を残していたが、今日はもっと驚愕だ。
とある仕事の打合せで埼玉県の草加に行った帰り、北千住の駅に降りた。
永井君が北千住に住んでいることを知っていたので、突然電話してみた。
すると、電話に出た永井君の様子がおかしい。
どうやら、僕の電話番号を登録しておらず、かつ、僕の声を永井君の他の友人と間違えていることに気付いた。
彼は間違えたまま僕と話し続けた。もちろん、僕も否定しない。否定しない方が面白いので、そのまま乗っかって話し続けた。
電話を切る直前、彼は僕にこう言った。
「今度、舞台観に来てくれよな」
間違いなくそう言った。
昨日はメールで共演者に舞台のことを告知し、今日は電話で主宰を舞台に誘った。
正気の沙汰ではない。
それと同時にある種の感動も憶えていた。
稽古場で真相を白状すると、永井君は頭を抱えていた。
しかし、これは彼という人間を知るための氷山の一角に過ぎないと思った。
彼はまだ持っている。色んなものを持っているはずだ。
まだまだ知っていく、ほじっていく。
この夏の研究課題だ。