文明人になる宣言

ビックカメラスマートフォンを予約した。


その後、完全に肩で風を切って新宿西口を歩いていたと思う。


なんだか声高に言いたい気分になった。道を歩く人、西口の一角でアンデスの笛を吹いて演奏している人、もう色んな人に言いたかった。



「フルタ、スマートフォンに代えるらしいぜ」



文明に背を向けて生きているわけではないが、すぐに飛びつく方でもない。
今日調べて分かったが、僕の携帯電話は4年8カ月間使っていたみたいだ。
これって長い方なのか、どうなんでしょう?


前に買い代えたのが、今の奥さんと出会ったころだと記憶しているので、ちょうどそれぐらいの月日が流れたことになる。


代える時っていうのは、完全に進んだ文明の利器を手に入れたと毎回思う。けど、あっという間にどんどん追い越される。あの時、あんなに輝いていた僕の携帯も、今では化石かゴミも同然だ。情けなくなるわ。


だったら代えないという選択肢もある。
どうせスマフォにしてみても、数年経てばゴミみたいになっているかと思うとやり切れないのだ。



けど、代えることにした。


一番の理由は、電話していると原因不明のノイズが入るからだ。
相手に「何言ってるかわかねーよ、デブ」と言われるからだ。
デブと聞こえたのは幻聴だけど。
ま、本当に困っているから代えることにした。



別れの時までよろしく。