放射性物質とギャグ

ずいぶん前に観た演劇で、
主人公が放射性物質を集めるシーンが出てきたことを思い出した。


主人公がごみ袋を広げて、
「あっ!」とか「このっ!」とか言いながら、
必死に何も見えない空中の空気を袋に閉じ込めようとしているシーンだ。
そこに、こうゆうナレーションがかぶる。


「彼は、ほとんどギャグのような方法で放射性物質の回収に成功した」


だった。


僕は笑った。
会場も笑っていた。
僕らと放射性物質の間に距離がだいぶあったから笑えた。


でも、今はどうだろう。
この時期に披露しても笑ってくれる人はいるのか?
それこそ「不謹慎」と言う人たちが目を吊り上げそうだ。


こうゆう状況だ。
もちろん最悪のケースも考えられる。
僕自身は、まだ怖さはあまりない。
結局は、なるようにしかならないとも思う。
ただし、娘の人生は別物だとも思った。
当たり前だが、8か月の娘は、まだ自分では何もできない。
水を買いに行くことも、おむつを代えることも、ましてやニュースを理解することも。
なんとかして安全な生活を送らせてあげたいと思ったのも事実。


事務所にいる。
届くはずだった特別公演用の舞台セットのあるモノがまだ届かず。
それを待ちながら、
ラジオスピーカーから流れてくる
ピエール瀧トークに笑った。


人間、深刻ぶったりしながらも笑える時は笑える。
良い意味での「のんきさ」が人間にはある。


のんき力。


これから大事になってくると思います。


さっき、携帯電話がどこにもつながらず勝手に憤っていたが、
原因が分かった。


僕が携帯電話の料金を払っておらず止められていただけだった…。


これは「のんき力」でも何でもない。僕の怠惰。反省するばかり。