犬のいるBARでカレー

新宿でラジオ収録に立ち会い、稽古場へ向かう途中に通りかかったBARでカレーが食えることを発見した。
お腹は空いていた。稽古場へも急いでいた。
そのBARは地下へと続いている。
怪しい。
けど、なぜか足が進んでしまった。
階段を下りて行くと、BARがあり、ガラス越しの店内には犬が2匹ワンワン吠えまくっていた。
それも野犬のような荒々しさに満ちている。
間も無くして、カウンターの中にいたおばさん(色っぽい)がやってきて、となりの廃屋にしか見えないビリヤード場に犬を追い込んだ。
尚も犬は吠えまくり、店に入ってしまったことを後悔し始めていたが、時すでに遅かった。
食べ物はカレーしかない。
600円のオリジナルカレーにトマトやチーズやコロッケのトッピングができた。
僕はチーズをトッピング。
せめて、美味しいカレーであれば万事がOKであるが、人生というものはだいたいそうではない。
カレーは大変甘くお子様カレーよりもさらに甘く赤ん坊用かと思われた。
そして、トッピングしたはずのチーズは全く発見することができなかった。
どう見てもフツーのカレーである。
おばさん(色っぽい)に訪ねてみたが「とろけるチーズだから」という説明で丸込まれた形だ。
チーズ感を感じられぬままフィニッシュ。
チーズは入っていなかったのではないか。
ここに来る可能性は二度とない気がする。
そんなお店に入る度、人生のはかなさとやりきれなさを感じる。
食べ物はどうか美味しくあってほしい。


マクドナルドでもらったワールドカップグラスはたくさん水が入る。それをがぶがぶ飲んでいる。
諸々書く仕事が溜まってしまった。やらねば、やらねば。水を飲んでやらねば。
色々と気持ちばかり焦る1週間を過ごしている。