クリスマスにはときめかなくなった

名前は分かんないんだけど、下北沢に昔から営業していると思われる老舗風のクリーニング屋がある。
駅から事務所に向かって歩くと、いつも前を通る。
今日もそこを通過したわけだ。
そん時、チラっと店内を見た時、そこの店主が黙々とサンタクロースの衣装を何着もアイロン掛けしていた。
それが女性が着るコスプレ系のサンタ服に見えた。
自分に都合よくエロい妄想に変換して事務所に向かって歩いた。

風は冷たかった。
なんだよ、すっかり冬じゃねぇか。
そうか、来月はクリスマスか。
28歳にもなると、もはやたいしたときめきはない。
そもそも、そこにときめきを求めていない。
それが別段ショックだとは思わない。
さっき見たコスプレのサンタ服。
きっと、世田谷区内に住む金持ちのおっさんが美女を家に集めて、ノーパンであのサンタ服を着せることになるのだろう。
そうに決まっている。
くそっ、めちゃくちゃときめいている。