さらば、まっとうな人生

先日、テレビで「タクシーの客にこんな迷惑な奴がいる」という特集をやっていた。
タクシーの中に取り付けられた小型カメラが、その一部始終を記録。
運転手にクレームを付けて料金を安くさせる客、言いがかりを付けてタクシー会社まで怒鳴り込むようなお客までいた。
それは、迷惑な客に困っているというタクシー会社目線のVTRであったわけだが、僕は完全にクレーマー側に感情移入して見ている自分に気付いた。
なんとなくクレーマーのクレームを応援している自分がいたのだ。
「あー、あーやってクレームを付ければいいんだな」
などと、最低なつぶやきまで出た。
その時、ふと思った。
僕は、もはや、まっとうな人生ではない。
どこで間違えたんだろう。
色んなことを斜めから見ているうちに、斜めの角度を忘れてしまった。
忘れてしまって、180度逆からものを見るようになった。
まずい。
色んなことが大いにまずい。
誰かにどうにかしてもらいたい。
夜回り先生に、おもいっきり叱られたい。
ぶん殴られたい。