雨の路面

ブックオフのブックおばさんが僕の家のホンを取りに来た。普通のおばさんだったが、でっかいダンボール箱を抱えて歩いて行った。車でわざわざ取りに来てくれるサービスがあることは知っていたが、こんなにも楽だとは思わなかった。そうだ。昨晩、ギリギリまで悩んで、結局売るのを止めた本がある。


内山理名の写真集。


19歳、浪人生だった夏に名古屋の書店で購入したものだ。今となっては、どうしてファンになったのか全く思い出せない。しかし、あの夏は、むさぼる様に写真集を買っていた記憶がある。いろんなアイドルのやつを。

病んでいた。

まっとうな理由はそれぐらいしか思いつけない。「参考書を買うから」と言ってもらったお金は、写真集に化けていた。あれは何の参考になっていたのだろう。大人になった今も、何にも活かせていない気がする。内山さん、申し訳ない。
他にも浪人生の闇として代表的なのは、自分のサインの練習だと思う。これは、誰かに統計学で調べてほしいんだけど、「人間は浪人生の間にサインの練習する」という説だ。僕は勉強が嫌になると、決まってノートに自分のサインを練習した。誰も見ていない所でどんどん上手くなっていった。人知れず、喜んだ。それに慣れてくると、サイン会を想定して、ファンの人と小粋な話をしながらサインをして握手するという一連の妄想にふけた。あの頃、僕は何になりたかったんだろう。


コントライブのコント台本を一つ書いた。スキマを見ては、一つずつ書いていきたいもんだ。


夕刻から小伝馬町のゲーム会社にて、ドラマCDの打ち合わせ。
アニメ会社の社長・別府くんとも久しぶりに会う。相変わらずヘンで憎めない。ヘンな人間は憎めないし、憎めない人間はだいたいヘンだ。盛り上がった打ち合わせのまま、脚本の方向性が決まる。早くプロットを完成させなければ。

道路に溜まった雨のせいで、信号機が反射。キレイだった。